豊田薫・編 第4回

『禁姦色〜中沢慶子』は豊田作品の中でも最もリリカルな映像となった。撮影場所は千葉館山にある通称・海岸ホテル。戦時中、人間魚雷回転で特攻していく将校達がその直前に宴を囲み、最後の夜を過ごしたと噂される不気味な建物であった──。「文中〈兄妹として仲の良い2人〉と〈男女としてSEXしたい2人〉が亡霊のように見え隠れする──、という一節がありますが、『禁姦色』は、元々〈妹に先立たれた兄の幻想〉(※或いは〈亡き妹の幻影と暮らす兄の精神世界〉)を描いたものであります。だからこそ冒頭、中沢慶子の姿は薄ぼんやりと浮かんでは消える訳だし、兄の押す車椅子に妹は乗っていない。「さらに、劇中登場する時計には針は無い。つまりあの映像は、時の止まった世界、兄の記憶の中の美しい妹と、その妹を独占したかった兄の一方的な思い入れの表現なのです」 これは2001年、筆者・東良美季が『ビデオメイトDX』(コアマガジン)という雑・・・・・・・・・・

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