豊田薫・編 第2回
前回、豊田薫の初期作品を語る上でのキー・ポイントを幾つか挙げた。それらを整理すると以下の通り。 (1) 男側の欲望からセックスを捉えているということ。(2) 物語が突然始まりラストも何のストーリー的終焉がなく、唐突なイメージシーンで終わること。(3) 徹底的に見せ方にこだわること。(4) セックスの形、プレイのひとつひとつが実に変態的なこと。 今回は処女作の『少女うさぎ・腰ひねり絶頂!?〜高野みどり・20歳』に続く第2作、『奥まであと1センチ〜朝倉みゆき・20歳』(KUKI・1985年作品)をテキストに、ポイントの(1)と(2)を中心に、その意味を補足しつつ論じてみよう。 まず、(1)の〈男側の欲望からセックスを捉えているということ〉。これは前回も書いたが、アダルトビデオの黎明期、制作者たちにとって「いったい何を撮ればいいのか?」というのは大きな問題だった。つまり、例えば女の裸を撮れば・・・・・・・・・・
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