「段ボールいっぱいの秋」

 秋の訪れを告げるかのように、10キロのさつまいもが届いた。段ボール箱を開けた瞬間、絵に描いたような「秋」が詰まっていて思わず笑った。鹿児島の祖父母がこつこつ育てた紅はるか。鮮やかな自然の紅色に、南の彼方の大地の香り、それは見事な秋だった。 鹿児島の祖父母はともに80代だが、つい数年前までせっせと働いていた。早朝から港へ出向いて大量のイワシを仕入れ、自宅に併設された工場で丸干しにして出荷する。小さい頃から祖父母の家を訪れる度に、イワシを串刺しにする作業や出荷用の箱作りを手伝って、お小遣いをもらった。80歳を過ぎても、祖父母は日々長靴と防水エプロンを身につけて、重たい道具や機材を動かしていた。地道に続けた自営業で、4人の子どもにとどまらず孫の私まで大学に入れてくれたのだから、本当に頭が上がらない。祖父母の家の記憶には、いつもあの工場の潮の香りが漂う。 先日仕事で鹿児島へ行く機会があって、ワク・・・・・・・・・・

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