死ぬ前に翔べ

萩原正人

第70回 あの夏──俺だけの物語

1980年代。とあるブームがあった。新島ブーム。いつもの溜まり場で、タバコの煙に燻されながら、わたしはある記事を雑誌に発見した。 “新島で処女を捨てる女子高生が急増中”。 高3だ。童貞だ。どれだけ興奮したことか。記事によれば、新島は「処女捨て島」と、呼ばれているらしい。即決。その場にいた、童貞5人による夏休みの新島旅行が決まった。 夏になると思い出してしまう。思春期の物語だ。 旅費。新島へのパックツアーは、船中一泊、新島二泊で3万弱だった。わたしは工業高校の電気科卒。クラスのお父さんが、電気工事の会社を経営していた。 面倒見が良かった。電気工事の製図の課題が出た時、級友数人で教えを乞いにいった。ところが……、揃いも揃って不器用で、「もういい!」と、ばかりに、課題を奪い取ると勝手に製図ひいて・・・・・・・・・・

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