2022年4月1日号

瞽女は、それを生業とする者がいなくなった芸能の名称である。 瞽女唄自体は絶えたわけではない。それを歌う者によって、芸能として継承されているからだ。しかし本来の形での瞽女、生計の手段として唄う者はすでにこの世にはない。 2021年10月に刊行された『さずきもんたちの唄』(左右社)の著者である萱森直子は、「最後の瞽女」と言われた小林ハルに師事し、その唄の継承者となった。聞き書きの形で出されたものはこれ以前にもいくつかあるが、内部の視点から書かれている。記録ではなく、記憶に残すために綴られた本と言ってもいい。小林ハルと、彼女が受け継いできたものの人間らしい温かみを語り遺すために萱森は筆を執ったのだ。 あくまでも個人的な体験を軸として書くために、萱森はまず自分と小林ハルとの出会いから話を起こしている。視覚障害を持つ高齢者専用の施設を、点字本作りのサークルに加わっていた萱森が訪ねたのが1987年10・・・・・・・・・・

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