第二三回 ブラジルでジーコに「取材拒否」される

 サンパウロからリオ・デ・ジャネイロには一時間に一本程度、シャトル便が飛んでいた。搭乗口にいる人間たちの多くは白人で、小綺麗なスーツを着てネクタイを締めていた。街で見かける人々と明らかに“人種”が違う。この国には人種差別はないと聞いていた。しかし、経済的には歴然とした階級があるようだった。 リオの空港では、エドゥー西尾が手配していたタクシーが待っていた。タクシー運転手の中には犯罪に手を染める人間もいる。以前、リオで知り合ったタクシー運転手の名刺を探して連絡をとったという。エドゥーは念には念を入れていたのだ。気をつけているとはいえ、日本からやってきたぼくは安穏とした空気を隠しきれない。この国では標的となる存在であることを思い知った。 サンパウロからセルソ・ダリオ・ウンゼルチが同行することになった。 セルソは痩身の白人で柔らかな物腰の男で、ぼくと同じ六八年生まれだった。・・・・・・・・・・

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