第二一回 ジーコ来日に至る、知られざる事実

   ぼくは古巣である『週刊ポスト』に辛辣すぎることは自覚している。それは、かつて自分が大切にしていた場所が変質してしまった悲しみ、愛情の裏返しである。  二十代で誰に会うかによって人生は決まる。編集長だった岡成憲道さんを初めとした当時の編集部には多大なる恩義があった。中でも、二十代半ば、編集者として半人前だったぼくに複数回のブラジル出張を認めてくれたことだ。  ブラジルへの扉を開いてくれたのは、広告部の安田征克さんだった。  彼は元々、週刊ポスト、女性セブン編集部にいた。古き良き時代、つまり雑誌が相当な無茶を許された時代の男である。編集長の岡成さんは直系の後輩に当たる。ぼくにとっては、しばしば編集部に顔を出して軽口を叩く優しい先輩だった。  ある日、安田さんから、いい話があると手招きされた。 「お前、ブラジル行くか?」 「ブラジルですか?」 「そう。ブラジル。今・・・・・・・・・・

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