武士と宣教師、どっちの髪型が笑える?~『男はなぜ化粧をしたがるのか 』

男はなぜ化粧をしたがるのか (集英社新書 524B)
『男はなぜ化粧をしたがるのか (集英社新書 524B)』
前田 和男
集英社
734円(税込)
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 武士の髪型と言えば、前額から頭の中央にかけて髪を剃り落としている月代というスタイル。私たち日本人にとっては、テレビの時代劇などで見慣れているため「昔の武士の髪型」というだけで、特におかしな髪型とは思わない人が多いと思います。しかし、外国人から見たらこの髪形はどうやら「変態」に見えるらしいのです。 

 500年以上も大昔に、日本を訪れた外国人宣教師たち。彼らにとっては日本で見るものすべてが驚きでしたが、特に月代は驚きの中の驚きだったそう。イエズス会宣教師のルイス・フロイスは『日欧文化比較』にその時のことをこう記しています。

 「われわれの間では人々は髪を刈りに行き、禿頭にされると侮辱されたと考える」

 つまり、「宣教師たちの目に月代は"お仕置き""侮辱"と映ったらしい」と『男はなぜ化粧をしたがるのか』の著者の前田和男さんは解説します。宣教師たちとって月代スタイルは、そういう「プレイ」だとでも思われたのかもしれません。

 もちろん、月代スタイルは「プレイ」ではなく、ちゃんと意味があります。月代スタイルが生まれたのは戦国時代。長期に渡る戦いの中、ずっと兜を被っているとのぼせてしまい、戦いに影響を及ぼすため「のぼせ防止」で考えられたと言われています。言わば「命のやりとりから生まれた髪型」なのです。

 ところで、日本人だって月代を変態呼ばわりした宣教師の髪型に驚かされたものです。小学生の時、歴史の教科書を見て思わず笑ってしまった人も多かったはず。頭頂部の髪の毛を円形に剃り落としている宣教師のフランシスコ・ザビエルの肖像画を。

 あれだって当時の日本人からしてみたら、かなり不思議に映ったに違いありません。

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