連載
杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス

第12回 ゴールデンウィークは、アイアンマンと冒険しよう!

『アイアンマン3』日本最速カウントダウン上映会での筆者(中央)@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
『アイアンマン3』日本最速カウントダウン上映会での筆者(中央)@TOHOシネマズ六本木ヒルズ

先日(25日)、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された、『アイアンマン3』の日本最速カウントダウン上映会の司会を務めました。
このカウントダウン上映会イベント、平日木曜日の朝10時半開催(ハリウッドで、ちょうど『アイアンマン3』のプレミアが開かれている時間に合わせた)だったのですが、チケットが発売されるや否や数時間でチケットが完売しました。アイアンマン、日本でも人気ヒーローになったのですね。

そう、アイアンマンは、ここ数年、日本でもブレイクしたアメリカン・ヒーローの一人でしょう。もともとアメコミ(アメリカン・コミック)発のキャラクターですが、いまやスパイダーマンやバットマンと同じくらいのメジャー感があります。実際、僕がアイアンマンのTシャツを着ていると、幼稚園の子どもが、「あ、アイアンマン」と言うぐらいです。5年ぐらい前は、考えられなかった(笑)。この人気は、映画の成功によるところが大きい。

アメコミ原作の映画は他にもあったわけですが、まずアイアンマンは、日本人に受け入れられやすいキャラだった。これは、アイアンマンのハイエンド・フィギュアで世界的にも有名なホットトイズの方の意見なのですが、アイアンマンは、仮面ライダーとガンダムの魅力を持ったヒーローではないかと。確かに、アイアンマンは、日本人が好きなロボット系・プロテクター系の"いでたち"です。加えて、このアイアンマン・スーツが主人公のハンドメイドという点。映画の中でも、主人公が、トンカントンカン、あのスーツを組み立てるシーンが抜群に楽しい。男心をくすぐる、ホビー感ですね。そして、素顔をすっぽり隠したフルフェイス・マスク型のヒーローということにも注目です。これは、特に子どもたちにとって重要で、素顔を見せないからこそ、あのマスクの下に自分の顔がある、と想像できる=僕もあのスーツを着たら強くなれる、こういう感情移入が出来るのです。

一方、アイアンマンの正体である、トニー・ストークという男の魅力も大きい。エキセントリックで、どこかガキっぽい、チョイ悪おやじですが、ここぞ、という時に決めてくれる! そして、このトニー・スタークと恋人ペッパーポッツとの"かけあい"もこのシリーズの魅力です。ほとんど痴話げんかというか、夫婦漫才というか。実は、カウントダウン上映会のサプライズ・ゲストは、FUJIWARA藤本さんと木下優樹菜さんのご夫婦だったんです。ご夫婦での登場は初めてだそうです。木下優樹菜さんは、ペッパーポッツ風のホットパンツ姿(『アベンジャーズ』のときのよう!)、藤本さんは最新のアイアンマン・スーツを装着! お二人の壇上での掛け合いも楽しく会場を大いに盛り上げてくれました。恐らく映画会社の方も、トニーとペッパーポッツの"いい感じな関係"をフィーチャーしたくて、FUJIWARA藤本さんと木下優樹菜さんをゲストに選んだのではないでしょうか?

さて、今回の『アイアンマン3』は、アイアンマン一人の物語だから、ヒーロー総登場の『アベンジャーズ』と比べて地味? いえ、それは大きな間違いなのです! 本作は、トニーの生身のアクションとアイアンマン・スーツのアクションが、ほどよいバランスで描かれ、ダウニィJrファンも、アイアンマン・ファンも満足させる見せ場の連続! そして、アイアンマンというキャラ好きにとっては、鳥肌物のラスト・バトル!

今回登場するアイアンマン・スーツは、マーク42(42番目のスーツ)。『アベンジャーズ』のときに登場したスーツが、マーク7でしたから、35体もアイアンマンのストックが増えています(笑)! そしてラストでは、これらのスーツが"アイアンマン軍団"となって大暴れする、シリーズ最高の大バトルを展開します! これは原作コミックの中に"アイアン・レギオン=鉄の軍団"という設定があって、主人公トニーの危機を救うため、トニーの友人たちがアーマーを装着して、敵地に駆けつけるというものです。複数のアイアンマンがそろって飛び立つシーンが、とてもかっこよく描かれていたのですが、今回の映画は、そのワクワクするようなイメージが、実写化!

こうしたアクションの楽しさに加えて、『アイアンマン3』は"王道のスーパーヒーロー
映画"としての魅力にも満ちています。

まず、アイアンマン/トニーが、ある奇跡の救出劇をやってのけるシーンがあります。
人を助け、助けた人々から「イエイ!」と感謝される! ベタですが、とても重要なシーンであり、見せ場なのです。なぜなら、ヒーローの本当の使命は、悪を撃退することではなく、人の命を救うこと! アイアンマンが "人型兵器"ではなく、"ヒーロー"である、ということを思い起こさせてくれました。

そして、少年とトニーの交流が描かれていたことです。ここはネタバレになるので詳しくは書けませんが、ある少年がトニーの相棒となり、彼のピンチを救います!(トニーのガキっぽさが全開で、とてもユーモラスなパートでもあります)。僕は、スーパーヒーローというのは基本、少年の夢であり、永遠の友だちであるべき、だと思うのです。

今回の「3」は、前2作より、少しストーリーは怖いし、ドラマ密度が濃い。でも、この少年とのエピソードに、スーパーヒーロー映画としての味わいを感じました。
監督の交代、ポスト『アベンジャーズ』としての責任等、本作を作るにあたっては、相当プレッシャーがあったと思います。
しかし、ここまでの作品に仕上げてくれた、スタッフ&キャストに感謝です!
GWは、アイアンマンと一緒に冒険しましょう!

最後にトリビアを。今回の『アイアンマン3』には"アイアン・パトリオット"というライバル・キャラが登場します。これは、原作コミックにも出てきますが、映画はそのイメージだけを借りた"別キャラ"です。
このキャラクターは、原作ではアイアンマンにキャプテン・アメリカのイメージを掛け合わせた、という設定ですが、その正体はノーマン・オズボーンという男! スパイダーマンに登場する、グリーン・ゴブリンという怪人に変身する男なのです。(02年の映画版『スパイダーマン』ではウィリアム・デフォーが演じていていました)

WE LOVE IRONMAN&TONY!


すぴから皆様へ:
①宝島社さんの『smart』6月号がマーベル特集! 僕が執筆と一部取材を担当しています!

②洋泉社さんの『映画秘宝』6月号のアメコミ映画特集に寄稿しました

③AOLさんで『アイアンマン3』レビュー記事書きました

④朝日新聞さんで『アイアンマン3』レビュー記事書きました

⑤サークルKサンクスさんのフリペ『カルワザスタイル』5月2日頃からの配布号で、『G.I.ジョー:バック2リベンジ』のコラムを担当しました

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杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書きで、アメコミ・ヒーロー映画やSF、モンスター映画についての伝道活動を、雑誌、TV、WEB等で展開。 映画「アメイジング・スパイダーマン」「アベンジャーズ」の劇場パンフレットにも寄稿しています。映画「サラリーマンNEO劇場版(笑)」にCMクリエーター役でなぜか出演。 AOL等でもコラム展開中。
また人気と評判の(笑)ブログはこちら http://supi.wablog.com/

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