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五感で存分に楽しむ至福のひととき。『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』

『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』 12月2日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

モーツァルト生誕260年記念作品。モーツァルトが主人公の映画といったらどうしても『アマデウス』が一番に思いつく。
「アマデウス」はアカデミー賞8部門受賞と1984年の代表的な作品となった。それ以降、モーツァルト自身を主人公にした本格的な映画はあまり制作されていない。
本作のモーツァルトは『アマデウス』のモーツァルトとは全くの別人のような繊細さや恋に対する貪欲な気持ちの表現をもった若きイケメンモーツァルトとなって生まれ変わっている。
それもそのはず、モーツァルトを演じたアナイリン・バーナードは今後スクリーンで彼を見ることも多くなりそうなイギリスの期待の新星なのだ!
最近では『ダンケルク』に出演している。

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アナイリン・バーナードが演じるイケメンモーツァルト

本作でクローズアップされているのはモーツァルトが31歳の頃に息子を病で失い失意のどん底にいる時代の話である。妻は傷を癒やすために温泉治療へと出かけ、一人さみしいモーツァルトはプラハの友人に招待され『フィガロの結婚』のリハーサルと新作オペラ『ドン・ジョヴァンニ』の作曲をしにやってくる。
まさかここで恋に落ちるとは予想もせずにやってきただろう。

そもそもモーツァルトとはどのような人物であったのだろうか?
5歳で作曲を始め神童とよばれて育ち、宮廷の楽団員として宮廷音楽の作曲をする日々を送り26歳で結婚。彼の人生はたった35年で幕を閉じている。

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本作で描かれるモーツァルトとスザンナ(モーフィッド・クラーク)、サロカ男爵の三角関係は思いが強いからこそ嫉妬は深くなり支配欲にかられたサロカ男爵がモーツァルトの評判を地に落とそうと画策する。
モーツァルトを巻き込んだ恋愛という脚本も面白いがこの作品の魅力はなんといっても音楽だ。これまでに『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング』をはじめ多くの映画音楽のCDを録音している経験豊富なオーケストラが、今回モーツァルトの名曲を現代的なアプローチを加えて映画音楽へと作り上げているのだ。
静かな空間でじっくりと、恋愛映画として音楽映画として楽しめる作品である。

(文/杉本結)

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『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』
12月2日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

監督・脚本:ジョン・スティーブンソン
出演:アナイリン・バーナード、モーフィッド・クラーク、ジェームズ・ピュアフォイ、サマンサ・バークス
配給:熱帯美術館

原題:Interlude in Prague
2016年/UK・チェコ合作/103分
公式サイト:http://Mozart-movie.jp
©TRIO IN PRAGUE 2016.

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