もやもやレビュー

くだらない会話は、絶妙な掛け合いで面白くなる。『セトウツミ』

セトウツミ [DVD]
『セトウツミ [DVD]』
池松壮亮,菅田将暉,中条あやみ,大森立嗣
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 暇人同士が集まると、繰り広げられる"くだらない会話"。連想ゲームのようにどこまでも話が広がり、カフェに長時間滞在した、という経験がある人も少なくないのでは。この世には、一つも笑えないものと、掛け合いが絶妙で思わず笑ってしまう二種類の"くだらない会話"があると思います。自分の繰り広げる会話が前者だと思うなら、いつまでも観続けられる"くだらない会話"だけで構成された映画『セトウツミ』をチェック! 本作は『海を感じる時』の池松壮亮と『ピンクとグレー』の菅田将暉の実力派若手俳優のダブル主演。

 主人公は関西の男子高校生、クールなインテリ男子で帰宅部の内海(池松壮亮)と、元サッカー部でやんちゃな瀬戸(菅田将暉)。二人は放課後に河原で集合。本作は、高校生ならではの悩みや不満も含めた「喋る」だけの青春が繰り広げられていく会話劇。

 内海と瀬戸の話題は「部屋にでかい蜘蛛がでた」とか「晩御飯カレーだ」とか「すぐ目の前の川にまつわる怖い話」とか、本当に他愛もないフツーなものばかり。そんなどこにでもある会話を材料に、瀬戸がボケて、内海がクールにツッコむ。そんなスタイルがいつのまにか彼らの中に出来上がっていて、シンプルかつ絶妙な掛け合いに観客はどんどん魅了されていきます。

 本作を見れば、くだらない会話を面白くする秘訣を彼らから教えられたような気分に。"くだらない会話"だからこそ、自由に広げることができるのかもしれません。鑑賞後は、ほっこりして笑顔になること間違いなし。

(文/トキエス)

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