もやもやレビュー

そっと心に光をともす『光をくれた人』

『光をくれた人』は、5月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー

トム(マイケル・ファスベンダー)が兵役を終えた時、心は疲れきり孤独を求めていた。トムに与えられた職務は孤島の灯台守だった。そんな彼は美しい女性イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)に心ひかれ手紙を送るようになる。ふたりは次第に惹かれあい、ついに孤島へイザベルがやってきて二人は夫婦となる。再び生きる力を与えられたトムだったが、度重なる流産で子供を亡くしてしまう。イザベルが悲しみの中にいた頃に、遠い海の彼方からボートが流れ着く。そこには男性の死体と、泣き叫ぶ赤ん坊の姿があった。保全局へモールス信号を送ろうとするトムに、赤ん坊を自分の子供として育てたいというイザベル。それから4年間自分たちの子供ルーシーとして育て続けていた二人だが、偶然にも本当の母親ハナ(レイチェル・ワイズ)と出会ってしまう。

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イザベルを演じるアリシア・ヴィキャンデル

「本当の母親」と「育ての母親」子供にとっての幸せは一体どこにあるのだろう?
2人の母親が願うものそれは「娘の幸せ」ただひとつだった。2人の母親の選択にラスト10分は涙が止まらない。

心を閉ざしていたトムがイザベルに送る手紙がとても素敵。現代社会ではメールで連絡をとることが多くなったけれど、手紙っていいなと作品を通して改めて感じることができるシーン。この作品に登場する4つの手紙はひとつひとつ重みがあり、そこには愛が詰まっている。手書きだからこそ伝わるぬくもりがそこには確かにあった。
そして、人は自分だけのために生きるよりも、誰かのために生きることで強くなれるのだと訴えかけてくる、まさにそれは灯台のよう。

大切な人に無性に手紙を書きたくなる愛の詰まった作品だった。

(文/杉本結)

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『光をくれた人』
5月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー

監督:デレク・シアンフランス
原作:「海を照らす光」M・L・ステッドマン(早川書房)
出演:マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィンキャンデル、レイチェル・ワイズ、ブライアン・ブラウン、ジャック・トンプソン ほか
配給:ファントム・フィルム

原題:The Light Between Oceans
2016/イギリス・ニュージーランド・アメリカ合作/133分
公式サイト:http://hikariwokuretahito.com
©2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC

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