もやもやレビュー

実写化大成功!『3月のライオン』

映画『3月のライオン』 前編 公開中(後編は4月22日(土)より公開!)

本作の原作は漫画で2007年から連載していて今もまだ連載中である。原作者の羽海野チカは以前に「ハチミツとクローバー」がアニメ化、映画化、テレビドラマ化されている大人気の漫画家である。

この作者の人気の秘密を2つ紹介したい。

まず1つ目は女性誌に掲載していた「ハチミツとクローバー」のファンは男性も多く、今回青年コミック誌に掲載している「3月のライオン」のファンは女性も多い点だ。男性誌、女性誌どちらに載せてもファンがついてくる。毎回出てくるキャラクターはどこか弱い部分を抱えているのだが、周りのキャラクターが支えてくれる。温かい気持ちにいつのまにかなれる漫画に男女の垣根はないのだろう。

2つ目は実際に存在する場所を丁寧に描いているという点だ。
「ロケ地巡り」「聖地巡礼」という言葉が流行る現代にはぴったりであり、漫画に描かれているそのキャラクターがいた場所が実際に存在する楽しみがある。
三月のライオンで描かれるキャラクターが住む街並みはすべて東京都月島周辺である。
これを書いている私はすでに聖地巡礼してきた一人。平日にも関わらず数人漫画片手に歩いている人に遭遇した。マナーは守って楽しみましょう。

ファンが増えるほど実写化のハードルも高くなる。そんな本作の主演を演じたのは神木隆之介だ。本当に漫画から飛び出してきたかのようにイメージがぴったり。脇を固める俳優陣も豪華かつイメージ通りだった。

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主人公の桐山零(神木隆之介)は家族も友達もいない孤独な少年。自分の居場所を必死に探すためにプロ棋士であるということにしがみつき、もがき苦しむ日々であった。将棋の盤上を通して自分の孤独や弱さと向き合いながら少年が自立した一人の青年になろうとする姿が丁寧に描かれている。

「将棋」と聞いて、私は室内で駒を動かして遊ぶゲームというイメージでしかなかった。しかし、スクリーンに映し出される「将棋」はまるでボクシングの試合を見ているかのよう。
将棋の駒を動かす一手一手がまるで殴り合いのよう。そしてその盤上には確かに一人一人の棋士が歩んできた人生がえがき描き出されていく。

前後編の2部作となる前編では桐山零という人間について漫画の時系列をうまく組み立てなおして138分にぎっしりと彼の魅力や魂の叫びをつめこんでいる。

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また、後編では獅子王戦トーナメントを戦う棋士達にのしかかる重圧や試練のエピソードとともに零自身自信も幼い頃から育ててもらった幸田家と向き合うこととなる。
一方で、また、零にとって家族のようにな大切な存在となる川本家の抱える問題に直面し、一緒に悩みもがき葛藤する。前編に比べて様々な重いテーマが次々とのしかかる後編。

幸せになる一手をそれぞれのキャラクターがそれぞれの方法で探し出す姿が、将棋という題材とリンクする瞬間がある。
将棋の「歩」の駒のように一歩一歩をあゆむ姿と、進み続ければ「と」に成ることも出来る将棋のルールをキャラクターの人生にうまく組み合わせていた。
まだ漫画は連載中のため後編は一部オリジナルストーリーで展開していく。
それぞれのキャラクターの選択する道に注目だ。

(文/杉本結)

***

『3月のライオン』
前編:公開中
後編:4月22日(土)より公開

監督:大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶 ほか
配給:東宝/アスミック・エース

公式サイト:http://www.3lion-movie.com
©2017 映画「3月のライオン」製作委員会

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