もやもやレビュー

彼(彼女)が好きすぎて狂うかも! そんな時は『ミザリー』を観よう!

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 大好きなアイドルやアーティストなどに愛情を容赦なく捧げる"熱狂的ファン"。しかしジョン・レノン殺害事件など、熱狂的ファンの愛し方は一歩間違えると、大変な事件になってしまいますよね。そんな熱狂的ファンの狂いすぎた愛情表現を観ることができる作品『ミザリー』を今回はご紹介します。

 ベストセラー作家のポールは、小説「ミザリー」シリーズの最終原稿をエージェントに届ける途中、雪山で事故に遭ってしまいます。ポールを助け出したのは、「ミザリー」の大ファンだというアニー。彼女はロッジで、身動きの取れないポールを看護します。ある日、「ミザリー」シリーズの最終原稿を見つけたアニーは、ポールに読みたいと打ち明けます。ポールは看護してくれたお礼にと承諾しますが、原稿を読み終えたアニーは、主人公のミザリーが死んでしまう展開に激怒し、態度が豹変。なんかおかしい......!!と勘づき、恐怖を感じたポールは、ロッジから脱出しようと試みます。

 最大の見どころ、それはアニーの豹変っぷり! まるでお母さんのように優しい表情でスープを食べさせてくれていたかと思ったら、突如豹変し、興奮してスープをこぼしまくります。他にも、小さなことで怒り狂って、ポールの怪我した足を容赦なく攻撃。小説を書き直すよう身勝手な指示をするほど、「ミザリー」が大好きすぎるアニーのクレイジーすぎる行動に、空いた口が塞がりません。

 そんなアニーは、「ミザリー」を創り出したポールのことも愛しています。しかし、気持ちは届くはずもなく、ポールには「狂ったヤバい女」としか思われていない様子を見ると、いきすぎた愛は、人に迷惑をかけることを実感させられます。そして芸能人やアーティストへの愛だけにとどまらず、身近な人との恋愛でも、熱狂しすぎる前に冷静になることが大切だと感じさせられます。

(文/トキエス)

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