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プロレス×映画

プロレスラー出演映画シリーズ:ほぼルッテンアクションのみに頼った予想通りの珍作『バス・ルッテン in バトルサバイバー』

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 慢性的なネタ切れ状況下にある「プロレスラー出演映画シリーズ」企画。いよいよ国内未DVD/BD化の逸品に手を出さざるを得ないのかと考えていた矢先、青天の霹靂な出会いがあったのです。
 ワンコイン投げ売りDVDコーナーにまんじりと埋もれていたそれは『バス・ルッテン in バトルサバイバー』(2004)!

 バス・ルッテンは、90年代初期の日本プロ格闘技ブームの一端を担った「パンクラス」に旗揚げ戦から参加し、第3代キング・オブ・パンクラシストに君臨。当時のエース・船木誠勝との壮絶な防衛戦は今も語り草になっているほど。その後、UFC王者を経て、総合格闘技(MMA)界のレジェンドに。
 選手としては総合格闘家といった方が正確ですが、2000年からプロレスにも進出。新日本プロレス参戦経験もあるため、これ幸いと「プロレスラー出演映画」枠にブっ込んでみたワケです。

 選手活動引退後は格闘技経験を活かしてアクション俳優として活動中。大きな作品は(『モールコップ』等のコメディ俳優)ケヴィン・ジェームズ主演作ばかりなので、縁故感がアレですけども。

 はてさて、今回ご紹介する本作ですが、一言でいってしまえば10分先の展開すら既視感通りに繰り広げられる超量産型のB級アクションムービー。
 孤島での殺人ゲームに無理矢理参加させられた元シールズのヴァーレイ(ルッテン兄貴)が、ライバルたちとの協力、裏切り、そして死闘の末......古くは1932年の『猟奇島』、近年なら『バトル・ロワイアル』『プレデターズ』、S・オースチンの『監獄島』やらでお馴染みのマンハントゲーム・モノですね。

 冒頭から8分近く無駄に使ったボートレースシーンで早速飽き飽きさせてくれますが、ゲーム参加者紹介シーンで7人の"選手"(女性は2名)と、7人の"賭け主・馬主"となる人物たち(闇世界の要人風のお歴々)が存在することが明らかに。ゲームを盛り上げるために、選手とは別の"ハンター"も投入されるルールとなります。

 みどころは無論、ルッテン兄貴によるMMA仕込みの格闘アクション。同じく日本でも人気の総合格闘家マルコ・ファスがライバル選手役の一人として登場するため、この絡みが最大の見せ場。ただ、これ序盤で即激突しちゃうんですね。ギャラ、高かったんでしょうね......。

 さすが本職同士!と胸が踊るバトルも、助っ人が入って二人がかりで倒すというオチではいささか消化不良気味ですが、製作側が格闘界の大物であるファスの面子を気にして"強敵感"を出したのでしょう。プロレスでもよくあることです。

 ちなみにルッテン兄貴のプロレス参戦後の出演作のせいか、投げっぱなしジャーマンも披露。プロレスラー出演映画と評してもこれで問題無いハズ!

 ルッテン兄貴のぎこちないラブシーンなどなど全てにおいてB級といった出来栄えで、90分という時間の長さについて改めて考えさせてくれる本作。
 セールスポイントはルッテンアクションのみ、と言いたいところですが、敵ボス役を務めたマイケル・ルーカー(『ウォーキング・デッド』初期シーズンの人気キャラ「メリル」役)の怪演はなかなかのモノ。そこだけは忘れないであげて!

(文/シングウヤスアキ)

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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