インタビュー
映画が好きです。

VOL.31 橋本マナミさん

たくさんの失恋を繰り返して、今の私があります。

「愛人にしたい女No.1」の異名を持ち、バラエティでも大活躍中の橋本マナミさん。1月28日(土)に公開される、黒川博行さんの大人気小説《疫病神》シリーズから、直木賞受賞作の『破門』が原作の映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』では、そんなパブリックイメージど真ん中の"愛人役"を演じています。純白のワンピースに15cmはありそうなピンヒールというため息ものの装いで現れた橋本さんに、映画について伺いました。


----黒川さんの原作も関西弁のセリフが印象的ですが、映画でも監督の小林聖太郎さんが方言に非常にこだわりを持って臨まれたと聞いています。橋本さんは山形ご出身ですが、方言のセリフはかなり練習したのですか?

「はい。私以外、監督もキャストも全員関西出身者だったので、方言指導はとても厳しかったです。方言の先生が用意してくださった"方言テープ"をずっと聞いて、音を覚えて自分でも話してみる。それで、先生に会った時に細かな間違いを直してもらったり。関西は半音があるので、ちょっと音が多いんです。微妙なニュアンスがとても難しかったですね」


----キャストの方々とは、撮影中はどのように接していましたか?

「私は橋爪功さんと一緒のシーンが多かったのですが、橋爪さんはすごくかわいい方で、合間合間でお話もたくさんしてくださいました。撮影中に滞在していたホテルに戻る前に、"飲みに行こうよ"って誘ってくださったりも」


----本当に愛人みたいですね(笑)

「ですね(笑)。でも私はもともと、年齢が離れている方とお食事に行く機会も多いんですよ」

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『破門 ふたりのヤクビョーガミ』より

----今回、佐々木蔵之介さんがヤクザ役というのも、意外性がありました。

「私もあまりイメージになかったのですが、すごくはまっていました。役に入った時は怖かったですね、ドスがきいた話し方で威圧感があって。でも、普段はすごく優しくて、撮影中も食事の時などに気を遣って"一緒に食べよう"って言ってくださったり」


----佐々木さんとW主演の関ジャニ∞の横山裕さんとも、交流はありましたか?

「空き時間などにけっこう話しましたね。横山さんとは、以前関ジャニ∞の番組でお会いしていて、その時に、家で裸で過ごしていますとか、鏡張りですとか、そういうエロい発言をいっぱいしていたんです。そうしたら横山さんが、私をエロくしか見なくて。普段は全然エロくないんですが、横山さんとはエロ話を中心にしてましたね(笑)」


----役柄的にも、エロい目でしか見てなかったですしね。

「そうそう(笑)。最初に、ミニスカートで登場して」


----橋本さんと言えば、セクシーの代名詞のようで、今回の役もとてもセクシーでした。セクシーさの表現において、こだわっていることはありますか?

「こうなったの、最近なんですよ。セクシーって言われるようになったり、自分でもそうしようと思ったのは。失恋をたくさん繰り返したのと、サービス精神でしょうか。普段はそんなにセクシーじゃないのでギャップがすごいんですが、でもやっぱり、男性がこうしたら喜ぶだろうなということを、考えたり、見つけたりするのは好きですね」


----普段はどんな感じなんですか?

「普段はがさつです。男性をたぶらかしてそうとか、男性を落とすの得意でしょう?とか言われるんですが、そういうのはすごく苦手。たとえば、男性においしいご飯をご馳走してもらうために媚びを売ったりするのも、すごく嫌いなんですよ。そんなことはしないで、自分でお金を出して食べに行った方がいいと思っています」


----男性をちゃんと尊敬していて、利用する相手だとは思っていないということなんですね。

「そうですね。対等でいられる関係が好きです。男性を尊敬しているこそ、かもしれません」


----ところで、セクシー方向になったきっかけは何ですか?

「デビューして14年くらい、ずっと清純派でやっていて、すごくいい子で生きてきたんです」


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写真=中野修也

----公私ともにですか?

「あ、いえ、仕事だけです(笑)。プライベートはそんなことしてたら絶対につまらない人になるなと思って、できる範囲で恋愛もしていました。恋愛禁止で、男友達も作っちゃいけなかったんですけど。だからインタビューの受け答えでは、いつも家で本読んでるんですよねって、そういうことばかり言ってたんですが、そんなわけないじゃないですか(笑)。それが苦しくなってきちゃって。本当の自分は違うし、いっぱい男の人と付き合ったことあるし、グラビアももっと自分なりの表現ができるのに、綺麗なものしかできなかったり。それがすごく嫌で、たまっていたものが爆発して、別にセクシーにやろうとしていたわけではなかったんですが、そういう風に言われるようになってきたんです。だから3年前は、今やるような表情とか、一切できませんでしたね」


----失恋もたくさんしたとおっしゃっていましたが、清純派時代のプライベートでの経験が、今の橋本さんの在り方につながっているのですね。

「それはすごく関係していると思います。私がなぜ失恋がセクシーにつながっていると思うのかというと、傷つけば傷つくほど、影の部分、寂しさやそういうものがある両極端の方が、深い人間になれるんじゃないかと思っているんです。そういう人になりたいとも思っているので、幸せなところにはあまりいかなくて、絶対辛いだろうなっていう方に飛び込んでいってますね。敢えて。自分のことをすごく好いてくれて、大切にしてくれて、すごくハッピーだけど、なんかつまんないなって思っちゃう自分がいて。だから追いかけたいんです。自分にないものを持っている人を。けっこう傷つくんですけどね、毎回」


----「真田丸」で演じた細川ガラシャにも、なんだかそんな深みを感じました。橋本さんの生き方が滲んでいたということなんですね。

「もっともっと経験していかなくちゃならないですが、ガラシャの場合は、いっぱい勉強を重ねて、切ない人生を生きてきた人だと思った。それで、自分なりのガラシャを作っていきました。そんな中で、長澤まさみさんと対峙した時に、何か違う感情が生まれてきたんです。すごく、この子を助けてあげたいなって、本気で思った。その時に、不思議なものに乗った気がしました。あまりない体験だったんですが、それに助けられたと思っています。座った瞬間の空気感が、考えていったのとはちょっと違って、気持ちがさらに入って。ガラシャのどっしりと落ち着いた感じ......皆さんからすごく落ち着いていたねって言われるんですが、演技の前はすごく緊張していました。でも、その空気感の中だからこそ、リラックスして演じられました」


----今回の映画でも、女優としての成長を感じる出来事はありましたか?

「セクシーでみんなを翻弄するというのは、得意とする分野なんです。横山さんにずっと見られてるとか、好きなんですけど(笑)。でも、関西弁が本当に難しくて、長いセリフのシーンでは固くなったりもしました。その時に橋爪さんが、もっと気楽にやっていいんだよって。間違えてもいいから、抜いてやっていいんだよって言ってくれたのは、すごく覚えています。緊張したり、うまくやろうというような心が出てしまうとダメなんです。それが課題ですね、今の」


----ちなみに、橋本さんにとって、セクシーさをひと言で表すと何ですか?

「美しいことだと思います。一生セクシーでいたいけど、年も取るし、重力に逆らえないとか、いろいろ出てきます。でも、そういうものとうまく付き合って、女性らしく人生を楽しんでいれば、絶対にその年齢なりのセクシーさが生まれてくると思うんです。一生セクシーを目指したいですね」


----では、今後の展望は?

「いろんなお仕事をさせていただいていて、全部好きなんですが、やっぱりお芝居がすごく楽しくて。二十代前半の頃に舞台もけっこうやっていたんです。来年はこの映画が公開され、ほかの映画もあります。形にするまでは辛いですが、その役を自分なりにわかろうとすることや、相手と演じて考えていたこととはまったく変化が起きるというのが、ものすごく楽しくて。映画もやりたいし、舞台も好き。舞台は3年くらいやっていないので、来年以降はまた舞台もやってみたいなと思っています」


----お芝居といえば、Wikipediaにかつては水死体役が多かったって書いてありますよね(笑)

「あれはけっこう盛っていて、ネタっぽく言ってるんですけど(笑)。二十代前半に二時間ドラマにけっこうたくさん出演していたんです。ちゃんとした役もいただいて、セリフもあったんですが、絶対最後、全部死ぬんです。いろんな死に方をしました。10通りはやったと思います。それをテレビで話したら、面白がられて死体役しかやってないようなことになって(笑)。ちゃんとセリフもあったんですよ。でもやっぱり、水死体は一番大変でした。寒くて、本当に死にそうになりました」


----最近は死体、やられてないですよね?

「最近はやってないですね(笑)。ガラシャで自害したんですが、あまり死ななくなりましたね、ありがたいことに。そうすると次のシリーズも出られるので。死んだらそこで終わっちゃうから(笑)」


----では最後に、映画についてメッセージをお願いします!

「一見やくざ映画のように見えますが、本当に素晴らしい出演者の方ばかりで、コメディも含まれていますし、展開がすごく速くてどんどん映画の中に入り込んでいけるような作品になっています。男性だけでなく、ご家族でも。いろんな方に楽しんでいただけると思います」


橋本マナミさんがセクシーな愛人役を演じる映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』は、1月28日(土)より公開です!

(取材・文/根本美保子)

***
『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
1月28日(土)公開
監督:小林聖太郎
戯作:黒川博行『破門』
出演:佐々木蔵之介、横山裕、北川景子、橋爪功、國村隼、濵田崇裕(ジャニーズWEST)、矢本悠馬、橋本マナミ 他
配給:松竹

2017/日本映画/120分
公式サイト:http://hamon-movie.jp
©2017「破門 ふたりのヤクビョーガミ」製作委員会

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橋本マナミ(はしもと・まなみ)

1984年、山形県生まれ。コンテストでの受賞をきっかけに芸能界入り。ドラマや映画、バラエティなど様々なシーンで活躍中。2016年は、NHK大河ドラマ「真田丸」をはじめ、「不機嫌な果実」(EX)、「せいせいするほど、愛してる」(TBS)などのTVドラマに出演。また、『全員、片想い/イブの贈り物』(16/伊藤秀裕監督)では映画初主演(W主演)。主な映画出演に、『劇場版ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』(13/木村ひさし監督)、映画『オー!ファーザー』(14/藤井道人監督)など。

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