インタビュー
映画が好きです。

Vol.14 ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤさん(映画監督)

クリストファー・ノーランが好き。 メインストリームでありながら作家性も高い。尊敬してます。

一昨年の『ロボット』、昨年の『きっと、うまくいく』とヒットが続き、じわじわきてーるインド映画! そんななかで、インド映画史上最大となる製作費30億円のガチな映画がまたまたやってきました。BMWのK1300Rを改造した、男の夢が詰まった水陸両用の変形バイクによる、ど派手なチェイスシーンがワクドキなアクション映画、その名も『チェイス!』。しかも主演は、『きっと、うまくいく』で当時44歳にして大学生役を演じ、日本でも人気になったアーミル・カーンです。というわけで、ヒゲデザもカッコいいヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督に、作品のこと、好きな映画のこと、聞いてみました!


──インド映画初のシカゴロケを敢行した『チェイス!』。ロケ地にシカゴを選んだ理由は?

初めてのシカゴロケということで、インド人が映画の中でシカゴを観るのもこれが初めてでした。人々に目新しいものを届けたいという思いがあるので、そういう意味でもシカゴを選びました。また、ドラマチックで劇的な変化があるこの映画のストーリーを、まさにシカゴの街そのものが体現しているように思ったんです。美しいだけでなく、どこか暗く怖いイメージもある。今にも何かが起きそうなドラマチックな街の風景が、映画にぴったりでした。それに、映画にも出てきますが、シカゴの川と橋がとても好きなんです。


──変形バイクを使ったチェイスシーンへのこだわりは?

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BMWのK1300Rを改造した変形バイクで、アーミル・カーンが疾走!

主人公は、サーカス団の天才トリックスター。映画にもサーカスのシーンが多く登場しますが、主人公が乗る変形バイクもまた、アクロバティックなサーカスのイメージで、バイクを表現したものなんです。橋の上から川に落ちるシーンでは、バイクがジェットスキーに変わり、そして再びバイクに変化する。ロアルド・ダールの物語にも似ているような、ファンタジックで楽しい世界を表現しました。アクションは本当に難しかったですが、ハリウッドの有能なスタッフに助けられて実現させることができました。


──アーミル・カーンってどんな人?

インドでは大スターと言えると思います。そして同時に、最も尊敬されている人物です。けれど、みんな盲目的に大好きなわけじゃなく、彼は社会問題に対しても発言をしているんですが(※)、そういった彼が背負っている社会的責任を理解したうえで、支持している。そのような人はインド映画界でもまずいません。
また、役者としてのアーミル・カーンは、とてもプロフェッショナルな人です。映画人としては、彼のような人と仕事をしたいとやっぱり思いますね。スターでありながら、スター然としない。それこそよい役者、またよい人間である印だと思います。しかも彼は演技をするだけでなく、映画のために投資をするなど、とても興味を持って映画に関わっています。だからこそなのか、自分の役回りだけでなく、映画の全体像を俯瞰して見る力がある。こういう人は数少ないですね。
(※)アーミル・カーンは社会活動家として世界でも注目されており、2013年には米「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれています。

──監督の好きな映画は?

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黒澤明監督が大好き!と言うヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督

日本映画では、黒澤明の『用心棒』。本当に何度も観ました。それから『影武者』『七人の侍』......これは私だけでなく世界中の人々に影響を与えていますよね。私自身も、西部劇が大好きなんです。他にも『乱』『羅生門』『天国と地獄』も好きです。
三池崇史は本当にエネルギッシュな作家だと思います。特に、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』はとても面白い。魅せてくれる映画だと思います。
宮崎駿は『千と千尋の神隠し』が好きですね。
ハリウッド映画では、クリストファー・ノーラン、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノが好きです。特にノーラン監督は、メインストリームの作品でありながらクリエイティビティに富んでいて、すごく作家性の高い監督だと思っています。尊敬しています。彼の作品では、『インセプション』と『ダークナイト』が好きですね。
(取材・文/根本美保子)

***

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『チェイス!』
12月5日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー!

監督・脚本:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
出演:アーミル・カーン、カトリーナ・カイフ、アビシェーク・バッチャンほか

公式サイト:http://chase-movie.jp
© Yash Raj Films Pvt. All Rights Reserved.

サーカス団の天才トリックスター、サーヒル(アーミル・カーン)の裏の顔は、腕利きの金庫破り。幼い頃に父を自殺に追いやった銀行に復讐するため、犯行を重ねる彼を警察が追い詰めるが......!

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ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ

映画監督、脚本家、作詞家。2004年『チェイス!』(原題『Dhoom:3』)の1作目となる『Dhoom』にて脚本家デビュー。『Dhoom:2』(06年)でも脚本を担当し、一躍人気脚本家に。08年にアクション映画『Tashan』で監督デビュー。本作は監督2作目にあたり、脚本、劇中歌の作詞も担当している。

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