インタビュー
映画が好きです。

Vol.07 サイプレス上野とロベルト吉野(ミュージシャン)

心のベストテン第1位は『KIDS/キッズ』! 
あれがなかったら多分、音楽を続けていなかったんじゃないかって思うんですよ

 "HIP HOPミーツallグッド何か"を座右の銘に、ヒップホップ界隈にとどまることない様々なジャンルのミュージシャンからも愛され活躍する「サイプレス上野とロベルト吉野」。そんな「サ上とロ吉」の愛称で親しまれる彼らのニューアルバム『サ上とロ吉ミーツallグッドみんな』が9月11日から絶賛発売中! 同作は、サ上とロ吉が様々なアーティストとフィーチャリングしてきた楽曲を1枚にまとめたベストコラボ盤。今回は日本のヒップホップを牽引するお二人に、映画について聞いちゃいました。

――早速ですが、好きな映画をお聞かせください!

上野さん「ミッキー・ローク主演の『レスラー』はかなり好きですね。もともとプロレスが好きっていうのもあるんですけど、やっぱり"今に見ていろ!"みたいな気持ちっていいじゃないですか。ああいう美学は共感しますね。ヒップホップに置き換えても、新しいスタイルのラッパーは時代とともに必ず現れるんですよ。そしてそういう人たちが注目されていく。これってプロレスに限らず、いろいろなフィールドで言える話だと思うんですね。ただ、それでもその世界で自分が生き続けていくのだとしたら、新しい世代の音楽も背負ってさらにカッコイイことをやらなきゃならないっていう...。ロートルと言われたとしても、それでもカッコイイことを絶対やってやるって。この映画からは、すごい影響を受けていると思います。」

――普段映画を観るときは映画館派と家でDVD派どっちですか?

上野さん「家でDVD派ですかね。でも映画館でみることもやっぱりありますよ。去年、ジャルジャルさん主演の『営業100万回』という映画のエンディングテーマを俺たちでやらせてもらったんですよ。『ちゅうぶらりん』って曲で、後藤まりこちゃんに歌ってもらって。ジャルジャルさんが温泉街で奔走する内容なんですけど、実は30秒ぐらい俺らも出演しているんです。これは映画館で観ました。温泉に入っているガラの悪い輩みたいな役なんですけどね。ふんぞり返って酒飲んでるような。(笑)」

――自分が出演している姿を観た感想は?

上野さん「三島(静岡県)の映画館まで観に行ったんですよ。最終の夜8時からの回だったんですけど、行ったら自分と嫁と、あとひとりオジサンしかいなくて。(笑)すごいリラックスしがら観ていて、"いい映画だったな"とか話していたんですよ。それで最後エンディングで『ちゅうぶらりん』がかかった瞬間、遠くに座っていたオジサンが立って帰っちゃって。"いやいや、ここも聴いて欲しかった"と。いい思い出ですけど。」

――では、最近DVDで観た映画の中でオススメはありますか?

吉野さん「この間、メタリカ(アメリカのヘヴィ・メタルバンド)のドキュメンタリー映画で『メタリカ:真実の瞬間- Some Kind of Monster -』という作品を観たんですけど、これがかなりグッときましたね。もともとメタリカはすごい好きで影響もかなり受けているんですけど、この映画を観てさらにメタリカが好きになりました。」

―― グッときた部分を是非とも!

吉野さん「この映画は『セイント・アンガー』というアルバムを世に出すにあたっての経緯なんですけど、途中でメンバーが喧嘩して何か月も顔を合わせなくなったりして、壮絶な制作風景が収められているんです。メタリカはそれまでにも沢山名盤を作っていますけど、自分たちで作り上げてきた音楽のさらに上を行くためにそれぞれ必死で。曲も今までの作り方を全部変えて、歌詞もメンバーで相談しながら言葉を選んでいく。感動ですよ。自分たちの音楽へのスタンスとも比較したりして、"音楽はこうあるべきだよな!"って思いました。」

――DVD派のお二人ですが、何度も観てしまう作品はありますか?

上野さん「『KIDS/キッズ』ですね! 俺の心のベストテン第1位。あれがなかったら多分、音楽を続けてなかったんじゃないかって思うんですよ。中学生のときに初めて観て、それ以来ずっと影響を受け続けていますもん。『KIDS/キッズ』ってレンタルとかでも見たことなくて、DVDも中古ですら手に入れるのが難しいです。でも"ひさびさに観てぇな..."って友達と話していたら、あるとき誕生日プレゼントに買ってきてくれたんですよ。結構高い値段だったみたいで、本当に嬉しかったです。」

――やっぱりストリートの空気感が漂う作品に魅力を感じますか?

上野さん「そうですね。ジャルジャルさん主演で監督が井筒さんの『ヒーローショー』とかも好きなので。凶暴な2人組が出てくるじゃないですか。あのリアル感がいいなと思って。危険な先輩って俺たちの周りにもいたんですよ。その界隈では知らない人がいないような名前が知れてる怖い兄弟とか。すごい暴走族が多い街だったので。でも俺はそれが嫌だっていうか、そっちじゃないスケーター達の中の人間だったから。だからやっぱり、『KIDS/キッズ』には相当共感したんでしょうね。」

――まさに、『KIDS/キッズ』のおかげで今の自分があると!

上野さん「まさに! 友達もみんな、こういうふうに生活できるようになりたいって思っていましたから。あとは自分が団地に住んでいたこともあって、物語の舞台が団地というところにも惹かれました。遊ぶときとか、友達の家に声をかけに行くときも、映画に出てくる合図を真似したり...。インターホン鳴らさないで部屋の窓に小石をぶつけたり、夜に家を抜け出すときは、親が怒るからって柱を使っておりてくるやつとかいて。そういうのがなんか、トレースするじゃないけど、スケボーもやっているし、プールも入るし、当時の自分たちの生活は『KIDS/キッズ』そのものでした」

サイプレス上野とロベルト吉野のお二人、どうもありがとうございました!

(写真/深尾麻鈴)

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サイプレス上野とロベルト吉野

2000年にあらゆる意味で横浜のハズレ地区である『横浜ドリームランド』出身の先輩と後輩で結成。"HIP HOPミーツallグッド何か"を座右の銘 に掲げ、 "決してHIPHOPを薄めないエンターテイメント"と称されるライブパフォーマンスを武器に毎年120本近くのライブを行っている。

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