連載
怪獣酋長・天野ミチヒロの「幻の映画を観た!怪獣怪人大集合」

第12回 『レディ・ジェイソン 地獄のキャンプ』

『レディ・ジェイソン 地獄のキャンプ』<br>原題『SLEEPAWAY CAMP2 UNHAPPY CAMPERS』<br>1988年(日本公開1990年)・アメリカ・80分<br>監督:マイケル・A・シンプソン<br>脚本:フリッツ・ゴードン<br>出演:パメラ・スプリングスティーン、レネ・エステヴェス、トニー・ヒギンズほか<br>※VHS廃盤
『レディ・ジェイソン 地獄のキャンプ』
原題『SLEEPAWAY CAMP2 UNHAPPY CAMPERS』
1988年(日本公開1990年)・アメリカ・80分
監督:マイケル・A・シンプソン
脚本:フリッツ・ゴードン
出演:パメラ・スプリングスティーン、レネ・エステヴェス、トニー・ヒギンズほか
※VHS廃盤

 前回に引き続き「夏休み特集」第2弾。『13日の金曜日』に代表される、いわゆる「キャンプ物」だ。この作品は日本では無名だが、アメリカでは評価の高い『SLEEPAWAY CAMP』シリーズ(未完の4を含む全5作)の第2作。そこでまず、83年の初回作(邦題『サマーキャンプ・インフェルノ』)を説明してから本題に入ろう。でも衝撃的なラストが有名なため、これから観たい人はネタバレ注意!

 ゲイの父親と兄ピーターを事故で失ったアンジェラ・ベイカーは、伯母(変人)に引き取られ、従兄と一緒に育てられる。それから8年、14歳になったアンジェラは無口で無表情の変わった子になっていて、林間学校でイジメに遭う。だがアンジェラは自分をイジメた者全員を、多彩な殺し技で次々と血祭りにあげる。ラスト、男の子の生首を抱え、全裸状態で逮捕されたアンジェラの股間にはペニスが! 実は本当のアンジェラは事故時に死んでいて、女の子を欲しがっていた伯母が生き残ったピーターに女装をさせて育てていたのだ。ピーターは世間から「死の天使」と呼ばれ、精神病院に収容される。『レディ・ジェイソン』は、事件から5年後のピーターを描く。

 ピーターは2年間の治療で更生を認められ、性転換手術をしてから退院。事件現場とは別のキャンプ場でアンジェラと名乗り、ちゃっかり指導員として働いていた。アンジェラは朝礼でギターを演奏しながら「オー、ハッピー・キャンパー、夏の太陽が好き~、木や森が好き~♪」と恥ずかしい歌を臆面もなく歌い、キャンプ場の規則の遵守に尽力。所長から「ベスト指導員」にも選ばれたアンジェラは、立派に社会適応していると思われた。が、その指導に逆らう者には、容赦なく死の制裁を加えていたのだ。

 夜に部屋を抜け出し男の子らと話し込む娘は、「アバズレ!」と舌を切り取る。「ハッピー・キャンパー、酒とアレが好き~♪」などとアンジェラを小バカにして歌い、ドラッグ、飲酒、セックスに耽る双子の姉妹は、バーベキュー台の上に縛り付け、油をぶっかけて生きたまま焼く。また、いつも小うるさいアンジェラを驚かそうと、ホラーキャラにコスプレして森に隠れる男子たちは、本物の刃が付いたフレディの爪でノドを斬られ、レザーフェイス・マスクを被ったアンジェラのチェーンソーの生贄に!

 ビッチなチアリーダーには、念入りな仕置きが待っていた。背中をナイフでグサグサ刺したあと、「ブ~ン」とハエの飛び交うボットン便所へ連れ込み、首根っこを掴んで顔を便器に突っ込む。「中に何がある? シット? 好きな言葉なんでしょ? キャンプの恥さらし!」と罵声を浴びせて中へドボン! 汚物のプールから顔を出してはアンジェラに棒で沈められること数回。ボチャボチャ、ビチャビチャ、ゴボゴボ(チアリーダーの口から)。美貌を誇るチアリーダーは、クソまみれで人生を終える(笑)

 さて、いなくなった子はすべて「家に帰しました」で済ましてきたアンジェラだが、とうとう所長に「無断で子供たちを家に帰すな」とクビを言い渡される。さらにショーンという男子に「オマエは死の天使ピーター・ベイカーだな?」と正体を見破られる。アンジェラ「なぜ私のことを?」。ショーン「オマエを逮捕した警官は俺の親父だ」。即アンジェラは斧でショーンの首をチョン! 殺す時は毎度まったく躊躇がない。虫ケラを殺すようなライト感覚が返って怖い。

 ここでウンチク。実は、最後まで生き残るヒロインで処女のモリー役レネ・エステヴェスは、「5000人とやった」セックス依存症チャーリー・シーンの実の妹。そしてアンジェラ役のパメラ・スプリングスティーンも、『ボーン・イン・ザ・USA』で有名な米ロック界のスーパースター、ブルース・スプリングスティーンの実の妹! さあラストは、有名人の妹同士のキャットファイト開始! って別に嬉しくはないか。

 結局モリーはアンジェラから逃げ切れずにエンディングを迎えるのだが、自閉気味の1作目より、明るくよく喋るスラッシャーになった「死のエンジェル」ことピーター・ベイカーの、成長著しい殺人ショーという感じ、なのかな?

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天野ミチヒロ

1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイトネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物(UMA)案内』(笠倉出版)など。
世界の不思議やびっくりニュースを配信するWEBサイト『TOCANA(トカナ)』で封印映画コラムを連載中!

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